赤ちゃんの手足が冷たい理由とは?正しい対処法や病院を受診する目安を解説

赤ちゃんの手足が冷たくなるのはなぜか、ご存知でしょうか。
赤ちゃんの手足が冷えているときに、どのように温めればよいか、詳しく知りたいという方もいるでしょう。
この記事でわかること
・赤ちゃんの手足はなぜ冷たくなるのか
・赤ちゃんが寒いときに出すサイン
・赤ちゃんの手足が冷たいときにどうすればよいか
・赤ちゃんを温めるときの注意点
・赤ちゃんを病院に連れて行くべきか見わける方法
赤ちゃんの手足が冷たい理由と、適切な対処方法がわかれば、赤ちゃんにとって快適な環境を整えられます。そして、病院に連れて行くべきかどうか、適切に判断できるでしょう。
赤ちゃんの手足が冷たい理由について知りたい方は、ぜひ読んでみてください。
記事のまとめ
- 赤ちゃんの手足が冷たくなるのは皮下脂肪の少なさと体温調節機能の未熟さが原因である。
- 寒さの見分け方は、手足以外の体が温かいか、顔色や唇の色が普段通りかで判断する。
- 対処法として、重ね着や室温管理を推奨するが、温めすぎは低温やけどや脱水症状を引き起こす恐れがある。
赤ちゃんの手足が冷たい原因とは?
赤ちゃんの体温は、大人よりも高いのが一般的です。
そのため、「赤ちゃんの体はいつでも温かい」と思われがちですが、本来、赤ちゃんには手足が冷えやすい傾向があることを知っておきましょう。
ここでは、赤ちゃんの手足が冷たくなりやすい理由を2つ紹介します。以下に挙げる、赤ちゃんならではの理由を知り、日々のお世話に役立てましょう。
皮下脂肪が少ないから
赤ちゃんの手足が冷たくなる理由は、皮下脂肪が少なく、体温を失いやすい傾向があるためです。
皮下脂肪は、温まりやすく冷えやすいという性質があるため、人間の体を保温・冷却する役割を担っています。
従って、皮下脂肪が少ない赤ちゃんの時期は、十分な保温効果が得られにくいため、手足を冷たく感じることが多くなるでしょう。
体温調節の機能が未熟だから
赤ちゃんは、体温を調節する機能が未熟なため、室温や湿度の影響で手足が冷えることがあります。
人間の体が、外気温の影響を受けずに体温を保てるのは、自律神経機能の働きによるものです。
しかし、赤ちゃんはこの機能が未熟なため、大人よりも外気温の影響を受けやすいといえるでしょう。
上記の理由から、赤ちゃんの手足が冷たいと感じたときに、室温も下がっていた場合は、寒さが原因で冷たくなっている可能性があります。
赤ちゃんが寒がっているのか見わける方法

赤ちゃんの手足が冷たくなるのは、大人と比べて皮下脂肪が少ないことと、上手く体温を保てないことが原因です。
従って、赤ちゃんの手足が冷えていたとしても、赤ちゃん自身が寒さを感じているとは限りません。
服のなかに手を入れて、赤ちゃんの全身を触ったときに、外に露出していないお腹や背中が温かく、爪がピンク色をしていれば問題はないでしょう。
出典:赤ちゃんの体温と服装・環境について|すくすくまことくりにっく
赤ちゃんが寒がっているときに見られる注意すべき症状
赤ちゃんの手足が冷たいことに加えて、以下のような症状が見られた場合は、赤ちゃんが本当に寒さを訴えている可能性があります。
・顔色が悪い
・唇の色が悪い
・露出していない背中やお腹が冷えている
赤ちゃんの顔をよく見て、普段と比べて顔や唇の色が変わっていないかチェックしてみてください。服のなかに手を入れ、背中やお腹を触って、体温を確かめることも大切です。
出典:赤ちゃんの体温と服装・環境について|すくすくまことくりにっく
赤ちゃんの手足が冷たいときの対処法

赤ちゃんの手足に触れたときに冷たく感じた場合は、まず、赤ちゃんが寒がっていないかを確認しましょう。
衣服で覆われている部分が冷たかったり、震えたりしている様子が見られたりなど、赤ちゃんが本当に寒さを感じている場合は、体を温めるように対処していく必要があります。
ここでは、赤ちゃんの手足が冷たいときにできる対処法を2つ紹介します。
着脱しやすい衣類を着せる
赤ちゃんが寒さを訴えている場合は、重ね着で体温調節してあげるのがおすすめです。
体が温まった赤ちゃんが汗をかいたときに、すぐ脱がせてあげられるように、着脱しやすい衣類を着せてあげましょう。
赤ちゃんは体温が変動しやすいため、こまめに様子を見て、衣類を調整してあげてください。
エアコンで室温を調節する
気温や湿度の影響で、赤ちゃんの手足が冷たくなっている場合は、エアコンを活用しましょう。
新生児の場合、冬場の快適な室温の目安は約20℃です。夏場は、外気温から5℃以内の範囲の室温が理想ですが、25℃以下にはならないようにしてください。
乳児の場合、冬場の快適な室温の目安は約20~25℃です。夏場は、外気温よりも約4~5℃低い温度にエアコンを設定するのがおすすめです。
出典:赤ちゃんの体温と服装・環境について|すくすくまことくりにっく
赤ちゃんの手足が冷たいからといって温めすぎは禁物

赤ちゃんは、体温調節機能が未熟なため、環境が変わっただけで手足が冷えてしまうことがあります。
たとえ手足が冷たくても、病気によるものとは限らないため、誤った対処法で赤ちゃんの体を温めすぎないように気をつけましょう 付けましょう。
赤ちゃんの体を過剰に温めることには、さまざまなリスクがあります。熱中症や、乳児突然死症候群(SIDS)を誘引する可能性もあるため、正しい対処法を身に付けておくことが大切です。
出典:赤ちゃんの体温と服装・環境について|すくすくまことくりにっく
手袋や靴下は着用させない
赤ちゃんの手足が冷たくても、室内の温度が適温で、衣服で覆われている部分が温かい場合は、手袋や靴下を着用させる必要はありません。
赤ちゃんは足の裏で体温を調節するため、手足を覆ってしまうと、その機能が上手く働かなくなることがあります。
そのため、寒い時期であっても、エアコンなどで室内の温度調整ができている場合は、赤ちゃんを素足にしておくことをおすすめします。
それでも、赤ちゃんに寒がる様子が見られる場合は、足の先が開いているレッグウォーマーなどを使って、体温を調節してあげましょう。
出典:子どもの冬の生活☆注意点|医療法人 廣仁会 じきはらこどもクリニック
衣類や布団の着せすぎに注意する
赤ちゃんの手足が冷たいときに、厚着させたり、布団をたくさんかけたりするのはやめましょう。
特に、布団のなかは高温になりやすいため注意が必要です。大人であれば、暑さを感じたときに自分で布団をはねのけられますが、赤ちゃんにはそれはできません。
赤ちゃんの場合、眠っている間に暑さを感じても、自力ではどうすることもできないため、体温が上がってしまい、脱水症状を起こすリスクがあります。
このようなことを防ぐためにも、赤ちゃんにはスリーパーや腹巻などを使用して、体温を調整してあげましょう。
出典:子どもの冬の生活☆注意点|医療法人 廣仁会 じきはらこどもクリニック
電気毛布の使用も避ける
赤ちゃんの手足を温めるために、電気毛布を使用するのはやめましょう。
赤ちゃんに電気毛布を使うことには、低温やけどのリスクがあります。「低温やけど」とは、体温よりも少し高い温度に長時間ふれ続けたときに起こる、皮膚の炎症のことです。
低温やけどの症状では、熱さや痛みをあまり感じないため、通常のやけどよりも重症化しやすい傾向があります。できるだけ電気毛布の使用を避け、ほかの暖房器具で布団を温めてあげるようにしてください。
特に、赤ちゃんは皮膚が薄いため、大人よりも低温やけどのリスクが高いことを理解しておきましょう。
出典:ちょっとこわい低温やけど<スタッフブログ>|桜こどもクリニック市川
エアコンの風が直接あたらないようにする
赤ちゃんがいる部屋で、エアコンや扇風機などを使用する場合は、赤ちゃんに直接風をあてないように注意しましょう。
赤ちゃんの顔や体に、冷風や温風を直接あててしまうと、風があたった部分だけ過剰に冷やされたり、体温が高くなって肌が乾燥したりする恐れがあります。場合によっては、体調不良を引き起こす可能性もあるでしょう。
このようなことを防ぐために、エアコンで室温を調節する場合は、風向きを水平または上向きにして、赤ちゃんに直接風があたらないようにしてください。
また、これらの家電機器を使う場合は、部屋の換気も忘れないようにしましょう。
赤ちゃんの手足が冷たいとき、病院を受診する判断基準

赤ちゃんの手足が冷たいときに、以下のような症状が見られた場合は、病院の受診を検討してみましょう。
・元気がなくぐったりしている
・下痢をしている
・38度以上の発熱がある
・体温が低い日が続いている
・苦しそうで顔色が悪い
特に、普段よりも低い体温が続いたり、高熱が出たりしているときに、水分を取れない様子が見られるような場合は、病院の受診をおすすめします。
ただし、体温の上がり下がりが一時的な場合は、外気温や室温による影響も考えられるため、様子を見ても構わないでしょう。
出典:赤ちゃんの体温が低い|病院へ行く目安や原因、対処法|医療法人社団 日暮里医院
出典:新生児の熱|病院へ行く目安や対処法|医療法人社団 日暮里医院
夜間や休日でもすぐに受診すべき症状
手足が冷たい赤ちゃんに、以下のような症状が見られるときは、夜間・休日にかかわらず、病院を受診することをおすすめします。
・赤ちゃんの意識に異常が見られる
・呼吸が苦しそうな様子が見られる
・けいれんしている
・生後3か月未満の赤ちゃんに38度以上の発熱がある
ただし、高熱を出している赤ちゃんが、少しでも母乳やミルクを飲めたり、眠れたりしている場合は、時間外に急いで受診する必要はありません。
それでも、赤ちゃんの体調は変わりやすいため、緊急の場合に対応できるようにしておくことは大切です。
赤ちゃんの診察をしてくれる救急外来や、夜間診療のある病院の連絡先などは、事前に把握しておきましょう。
出典:どんな症状があれば夜間でも救急で受診したほうが良いですか?|ペンギンこどもクリニック
赤ちゃんの手足が冷たいときは衣類やエアコンで環境を整えよう

赤ちゃんは、大人のように体温調節ができないことが原因で、手足が冷たくなってしまうことがあります。そのため、手足が冷たかったとしても、病気だとは限らないでしょう。
ただし、手足が冷たいことのほかに気になる症状があれば、病院を受診した方がよい場合があります。
本記事では、赤ちゃんの手足が冷たい理由と、その場合の適切な対処法について紹介しました。
赤ちゃんにとって快適な体温を保つためには、衣類やエアコンを活用することがポイントになります。
赤ちゃんが快適に過ごせる環境をつくるために、ぜひ、この記事を参考にしてください。