自己肯定感が低いとどうなる?特徴や影響と子どもの頃からできる親の接し方も解説

自己肯定感が低いとどうなる?特徴や影響と子どもの頃からできる親の接し方も解説

子どもには自信を持ってほしいとお思いの方もいるでしょう。本記事では自己肯定感が低いことによる悪影響や原因となる親の言動、子どもの自己肯定感を高めるのにおすすめの方法を紹介しています。子育てでお悩みの方や子どもの自己肯定感を高めたい方は参考にしてください。

「何事にも消極的な子どもの自己肯定感を高めたい」

 「自己肯定感が低い子どもの特徴を知りたい」

 「子どもの自己肯定感を高めるために親ができることは何?」

 自己肯定感は、ポジティブな気持ちで物事に取組み、充実した人生を過ごすために大切な要素の一つです。将来を担う子どもには自己肯定感を高めてほしいと思うこともあるでしょう。

本記事では、自己肯定感が低いことによる悪影響や子どもの頃の特徴を解説し、あわせて子どもの自己肯定感を下げてしまう親の言動や、自己肯定感を高めるために親が子どもにできることを紹介します。

この記事を読むことで、自己肯定感とは何かがわかり、子どもの自己肯定感を高める接し方が身に付くでしょう。

自己肯定感について詳しく知りたい方、子どもの自己肯定感を高めたいとお考えの方は、本記事をチェックしてください。

自己肯定感が低い状況とは

自己肯定感が低いと「自分は周りよりも劣っている」「自分はダメな人間である」と不安な気持ちになります。そうすることで、新たな挑戦ができなかったり、明るい気持ちになれなかったり、といった状況に陥ってしまいます。

また、失敗を恐れてしまい周囲に合わせることが多く、「自分で物事を決められない」のも自己肯定感が低い人にみられる特徴です。

【調査結果より】日本の子どもは諸外国と比較して自己肯定感が低い

文部科学省の調査によると、諸外国と比較して、日本の子どもは自己肯定感が低い傾向にあることがわかっています。

特に高校生では「人並みの能力がある」「自分の希望はかなうと思う」「はっきりした将来の目標がある」という項目において、他の国よりも低い傾向です。

学校教育では、体育の授業などを通じて物事に挑戦する気持ちを持つことと、グループワークなどを通じて、自分の長所や短所を理解することが望ましいとされています。これらの取組みにおいて、自己肯定感を育むことが重要視されていくでしょう。

出典:自己肯定感を高め、自らの手で未来を切り拓く子どもを育む教育の 実現に向けた、学校、家庭、地域の教育力の向上 (第十次提言)|文部科学省

出典:Ⅲ 調査研究報告/高校生の生活と意識に関する調査―日本・米国・中国・韓国の比較―|文部科学省

自己肯定感が低いことによる悪影響

自己肯定感が低いと不安感が強くなり、日常生活を楽しめないばかりか仕事や学校、家庭などで、うまく物事に対応できない状態になることもあります。

自己肯定感が低いと、どのような悪影響が出るのか、具体的な内容を3つ紹介します。

人間関係を上手に築けない

自己肯定感が低いと周りとの円滑なコミュニケーションが取れず、人間関係を上手に築けない場合があります。

自分に自信が持てず、「間違っているのではないか」、または「自分はダメな人間だ」という思い込みにより自分の意見や考えを伝えることが苦手です。

また、他者との交流を避けてしまいがちなため、親しい関係を作れずに、グループ内で孤立する傾向もあります。自分の主張を押し通すのは、トラブルになることがありますが、あまりにも主張が少ないと存在感がなくなり、寂しい思いをしてしまうでしょう。

学校や職場で評価されにくい

自己肯定感が低いと、自分の能力が発揮できず、学校や職場などのグループ内で、正当な評価が得られないという悪影響があります。

「失敗するかもしれない」という思いから、困難に立ち向かうことや、積極的な行動をとることを躊躇し、その結果「言われたことしかやらない」「態度が後ろ向きである」と評価されがちです。

正しく評価されないために、さらに自信を失い、ますます消極的になるという悪循環に陥るケースも多くみられます。

精神的に不安やストレスを抱え病気になるケースもある

自己肯定感の低さが原因で、体調を崩す場合もあります。

人間関係をうまく築けず、周りからも正当に評価されないことが悩みやストレスになり、精神的にまいってしまうケースが少なくありません。「自分はダメな人間だ」と思い込み、学校や仕事に行けなくなる場合もあります。

自己肯定感が低い人の子どもの頃の特徴

「子どもの頃の生活環境や育てられ方が、自己肯定感の低さと関連している」という考え方が、注目されています。

たとえば、周りからどうみられるか気になってしまう人や、失敗した際に過度に自分を責めてしまう人などは、自己肯定感が低い傾向があります。

ここからは自己肯定感が低い人は、どのような子ども時代を過ごしていたのか、主な行動や考え方の特徴を5つ見ていきましょう。

  • 周りからどうみられているか気になってしまう
  • 他者と自分を比較してしまう
  • 成功を素直に喜べない
  • 失敗を恐れてチャレンジできない
  • 失敗したときに自分を責めてしまう

周りからどうみられているか気になってしまう

自己肯定感が低い子どもには、周りの目を気にする傾向がみられます。

自分に自信がなく、周りからよい評価を得てあんしんしたいため、自分の考えを押し殺して周りに合わせようとしてしまいます。その結果、自分の本当の考えがわからなくなり、周囲に流されてしまうことになりがちです。

他者と自分を比較してしまう

他者と自分を比較してしまうことも、自己肯定感が低い子どもによくみられる行動です。

比較することで、他者の長所が目につき、「自分はダメだ」と思い込む傾向が見られます。

野球を例にとると「あの子はホームランを打ったのに、自分はヒットしか打てなかった」という考えで頭がいっぱいになり、自己嫌悪に陥ることもあります。

成功を素直に喜べない

自己肯定感が低い子どもは、自分の成功を素直に喜べないのも特徴の一つです。

自分の行動に価値がないと感じているため、褒められたことを素直に受け止められず、それを見た周りの人が「褒められて喜んでいるのだろうか?」と疑心暗鬼になる傾向が見られます。

その結果周囲からは、「素直に喜んでくれない」と評価され、ますます自己肯定感が低くなることがあります。

失敗を恐れてチャレンジできない

新しいことにチャレンジできないのも、自己肯定感が低い子どもによくみられる傾向です。

失敗を恐れているため、最初から「自分は興味がない」というフリをして、チャレンジしないことがあります。また、取組みをはじめても途中で、「やっぱりできない」とすぐに諦めてしまうのも、自己肯定感が低い子どもの特徴の一つです。

失敗したときに自分を責めてしまう

自己肯定感が低い子どもは、失敗したときに自分を責めてしまうことがよくあります。

叱られた場合、自己肯定感が強ければ「次は失敗しないようにしよう」と前向きに考え、次のチャレンジにつなげようとします。

しかし、自己肯定感が低い子どもの場合は、「自分のせいだ」と必要以上に落ち込み、自信を失って、再挑戦しないという傾向が出ることもあります。

子どもの自己肯定感が低い原因になり得る親の言葉や行動

親にとっては何気ない言葉や態度であっても、子どもは大きな影響を受けて自己肯定感の低さを招く場合があります。

ここからは、子どもの自己肯定感が下がってしまう原因となる親の行動や発言について、代表的なものを4つ紹介します。

子どもの自己肯定感が低い原因を把握し、自己肯定感を下げることがないように親として、サポートしましょう。

他者と子どもを比較する

自分の子どもを他者と比較することは、子どもの自己肯定感を下げる原因になり得ます。

たとえば、「隣の○○ちゃんは、マラソンで1位をとっていたね」や「お兄ちゃんがあなたと同じ年齢のときには、こんなことは簡単にできていたよ」といった言動は、避ける方がよいでしょう。

親は子どもに奮起を促すつもりだったとしても、言われた子どもにとっては、「自分は劣っている」ととらえ、自信を失ってしまいます。

子どもを褒めない

子どもの長所を褒めないことも、自己肯定感が低くなる原因の一つです。

子どもがテストで高得点を取ったときに、親が「それぐらいはできてあたり前」といった言葉をかけてしまうと、子どもはそれまでの嬉しい気持ちが消え、「もっといい点を取らないといけない」と考えるようになります。

子どもは、「親はどう思っているのか」をもとに是非を判断する傾向が高いため、親が満足していないと感じると、自己肯定感が低下してしまいます。

失敗やできないことを責める

子どもの失敗や、できないことを親が責めてしまうことも、子どもの自己肯定感を下げてしまう原因になります。

たとえば、「どうしてこんな簡単なことができないの」「言われたことをきちんとやりなさい」などの親からの否定的な言葉は、子どもの心を傷つけます。また、自信をなくすだけでなく、積極性も失ってしまう場合もあるでしょう。

子どもに高い期待をかける

子どもに過度な期待をかけることが、子どもの自己肯定感の低下につながる場合もあります。

「あなたは今よりもいい成績を取れるはず」「頑張ればもっと速く走れるのよ」といった言葉は、子どもに「努力したのに報われない」という気持ちを持たせてしまいます。

また、親の期待が重圧となり、それに押しつぶされて、消極的な子どもに育ってしまう可能性があります。

子どもの自己肯定感を高めるために子育てで親ができること

「子どもは親の姿を見て育つ」と言われます。親が子どもの長所を伸ばす接し方をすることで、子どもの自己肯定感が上がり、主体性を持った子どもに成長することが期待できるでしょう。

ここからは、日々の子育ての中で子どもの自己肯定感を高める方法について、3つ紹介します。

愛情を持って子どものすべてを受け入れる

子どもの自己肯定感を高めるには、親が子どものすべてを受け止め、愛情を持って接することが大切です。

参議院常任委員会調査室が発表している資料によると、「親から愛され、理解されている」と感じている子どもは、自己肯定感が高いという分析結果があります。

親から愛情を受けることで、自分は認められているという絶対的な自己肯定感が芽生え、自信を持って何事にも取組める子どもに育つでしょう。

出典:子どもたちの自己肯定感を育む ― 教育再生実行会議第十次提言を受けて ―|参議院

小さな目標を立て成功体験をさせる

小さな目標を立て、成功する喜びと達成感を経験させることも、子どもの自己肯定感を高めるのに効果的です。

学校での教科にこだわらず、日常生活の中での活動を目標としてもかまいません。地域の奉仕活動や職業体験、家事の手伝いなどを目標にしてもよいでしょう。目標が達成できたときの喜びや達成感を味わうことが、自己肯定感の向上につながります。

出典:自己肯定感を高め、自らの手で未来を切り拓く子どもを育む教育の 実現に向けた、学校、家庭、地域の教育力の向上 (第十次提言)|文部科学省

子どもを褒める

子どものよいところを見つけてそれを認め、褒めることが子どもの自己肯定感の向上につながります。

上手に褒める方法の一つに「褒め写」があります。子どもが何かに取組んでいる様子や、家族との絆を感じられる写真を撮影して室内に飾り、写真を一緒に見ながら子どもを褒めるという新しい子育て習慣です。

褒め写には、「条件つきの褒め」と「無条件の褒め」の2種類があります。前者は何かを達成したときや努力したとき、後者は家族の絆などを通じて、子どもの存在そのものを褒めることで、子どもは自分の存在を認められるようになるでしょう。

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出典:comotto 子育て応援プログラム |ドコモ

出典:自己肯定感を高め、自らの手で未来を切り拓く子どもを育む教育の 実現に向けた、学校、家庭、地域の教育力の向上 (第十次提言)|文部科学省

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自己肯定感が低い子どもの特徴や、低いことによる悪影響、子どもの自己肯定感を下げてしまう親の言動や、自己肯定感を高めるのに効果的な子育て習慣を紹介しました。

子どもの頃から、成功体験を積み重ねて、自分に自信をつけるとともに、失敗を教訓として成長できる力をバランスよく育てていくことが、自己肯定感の向上につながります。

自己肯定感の低い子どもに対しては、愛情を持って受け入れ、目標を達成したときには、褒めることが大切です。日頃の子どもへの接し方を振り返り、自己肯定感を高める子育てに取組んでいきましょう。

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