スクールカウンセラーとはどんな役割?相談するメリットや対応事例もご紹介
スクールカウンセラーの仕事内容や活用事例をご存じでしょうか。本記事では、スクールカウンセラーの職務内容や相談するメリット、実際に相談する際の手続きについて紹介しています。スクールカウンセラーへの相談を検討している方は、ぜひ、参考にしてみてください。
「スクールカウンセラーとはどんな職業?」
「子どもが悩んでいるときはスクールカウンセラーに相談してもよいの?」
「スクールカウンセラーに相談するときに必要な手続きは?」
このように、スクールカウンセラーという職業や相談方法について疑問や不安をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
この記事では、スクールカウンセラーの具体的な仕事内容や相談することのメリットについて紹介しています。記事を読むことで、スクールカウンセラーへの理解が深まり、必要なタイミングでスクールカウンセラーを活用することができるでしょう。
スクールカウンセラーの制度について理解を深めたい方や、スクールカウンセラーへの相談を検討している方はぜひ、ご覧ください。
スクールカウンセラーとは
スクールカウンセラーとは、学校生活における問題に関する相談を受け、その問題を解決するために必要な役割を担っている職業です。
スクールカウンセラーは児童・生徒だけではなく、保護者や教職員の対応もします。カウンセリングや研修も行うため、業務の幅も広いといえるでしょう。
また、近年では、従来の業務に加えてストレスを抱える教職員のケアをする場合や、特別活動や道徳の授業に参加する場合もあるなど、活躍の幅も広がっています。
スクールカウンセラーの具体的な仕事内容
ここからは具体的にスクールカウンセラーの仕事についてご紹介します。
具体的な仕事内容を知ることで、学校生活に関する問題や悩みが生じた際に、どのように相談すればよいのかがわかるようになるでしょう。
スクールカウンセラーについての理解を深めたい方はぜひ、参考にしてみてください。
カウンセリング
スクールカウンセラーにとってカウンセリングは業務の中心です。カウンセリングは児童・生徒、保護者、教職員を対象として行われます。
カウンセリングは依頼を受けて実施する場合もあれば、必要と判断する児童・生徒に対して担任らと相談の上で実施する場合もあります。児童・生徒や保護者とのカウンセリングは、基本的に教職員を介してやりとりをする場合が多いです。
教職員とのカウンセリングでは、学校生活に関する問題だけではなく、個人的な問題も相談対象となっています。教職員のストレスを解消し、学校運営を円滑にするためにも重要な役割だといえるでしょう。
研修
スクールカウンセラーは、教職員や保護者への研修・講演ができる必要があります。研修・講演にはいくつかの形式がありますが、テーマに応じていずれの形式でも担当できるようにしておく必要があるでしょう。
研修・講演のテーマとなるのは、不登校や思春期、児童虐待などがあります。テーマに沿った内容を伝える方法として、何が最適かを考え、実践することが求められています。
カンファレンス
カンファレンスとは「協議」を意味し、事例に関する意見共有や報告を行い、その事例解決に向けた対処について話し合うことです。
学校生活の問題点を解決するためのカンファレンスでは、誰が何を担う、などの役割分担がなされます。
カンファレンスの場には、スクールカウンセラーだけではなく、生徒指導担当者や担任、養護教諭なども参加することになっています。
アセスメント
スクールカウンセラーは、「アセスメント」と呼ばれる心理検査による査定ができる必要があります。心理検査とは人格検査と発達検査からなるもので、それぞれの場面や状況に応じて実施されます。
具体的にはYG性格検査やロールシャッハテスト、バウムテストなどがあり、スクールカウンセラーはどういったものか理解をする必要があるでしょう。
心理検査の実施内容はプライベートであるため、受検者の同意を得た上で実施します。また、内容や結果についても、外部へ漏れないよう細心の注意を払う必要があるでしょう。
スクールカウンセラーに相談するメリット
スクールカウンセラーには、学校生活における問題や悩みを相談することができますが、第三者である専門家からの意見をもらえることが最大のメリットでしょう。
スクールカウンセラーは心理についての専門家のため、心理の観点から問題解決のヒントを得ることができます。
教職員にはできない相談も、第三者にならできるという方もいらっしゃるでしょう。そのような場合は、スクールカウンセラーを活用することをおすすめします。
学校生活を送るうえで、不登校などの問題に直面する場合もあるでしょう。不登校になった場合は学校以外に学びの場を設けることもおすすめです。
comottoでは、小学校低学年が楽しみながら学ぶことができるサービスがあります。子どもが不登校など学校へ行けなくなった場合でも、子どもの学びを充実させましょう。
スクールカウンセラーに相談したいときに必要な手続き
実際にスクールカウンセラーに相談したい場合には、生徒や保護者から申込む必要があります。その際は、担任や養護教諭を通して申込みをする手順になっている場合が多いです。
スクールカウンセラーは非常勤の場合が多いため、事前に申込みが必要とされています。スクールカウンセラーへの申込み方法は学校によって異なるため、申込み方法は事前に確認しておくようにしましょう。
スクールカウンセラーの対応事例
ここからは実際のスクールカウンセラーの対応事例を3つ紹介します。
実際にあったケースを知ることで、スクールカウンセラー活用のイメージが湧きやすくなり、相談したい際の参考となるでしょう。スクールカウンセラーの活用を検討中の方はぜひ、参考にしてみてください。
不登校生徒の心理的支援
病気になり不登校になってしまった生徒に対し、学校からの依頼を受けてカウンセリングが実施されました。初回は、生徒との関係づくりと生徒の得意な点を聞き出すカウンセリングが行われました。
2回目以降はケア方法の提供を行いつつ、並行して親との面談も実施されています。教室への完全な復帰には至らなかったものの、別室での継続的な登校はできるようになりました。
いじめの心理的支援
いじめを受けてきた経験がある生徒に対しては、カウンセリングで認知行動療法を導入し、対人認知の修正が行われました。
カウンセリングの進展に伴い、自身の振り返りもできるようになり、対人認知の改善が見られたことでクラスメイトとの関係性の修正にもつながりました。
その後、生徒は安定的に登校ができるようになっています。
ヤングケアラー支援
ヤングケアラーとは、大人がするようなケアをする必要がある18歳未満の子どものことです。
スクールカウンセラーはヤングケアラーの支援も行っています。ヤングケアラーの当該生徒は負担も多い上に金銭面や進学への不安が大きい状況から、精神的に不安定な状況でした。
家庭を支援するためにスクールカウンセラーが福祉と連携して、支援を強化したことにより生徒の負担が減り、落ち着いて学校生活を送ることができるようになりました。
スクールカウンセラーに相談できること
スクールカウンセラーはカウンセリングを中心としながら、多岐にわたる方法で学校生活で生じる問題や悩みの解決をめざしています。
スクールカウンセラーには、いじめや暴力、不登校、親子関係や家庭環境などの悩みについて相談が可能です。悩みの大小にかかわらず、気軽に相談することができます。
学校生活を送るなかで問題や悩みが生じている場合は、積極的に活用するとよいでしょう。
カウンセラーが対応できないこと
スクールカウンセラーにできないことは病気などの診断と薬の処方です。
病気であることの診断やそれに付随する行為は「医行為(いぎょうい)」に該当するため、資格をもたないスクールカウンセラーには対応ができません。
どうように、薬の処方に関しても医師のみができることであるため、スクールカウンセラーにはできない対応です。
体の調子が悪い場合や病気の恐れがある場合、医療機関を受診するようにしましょう。
学校生活で困った際はスクールカウンセラーに相談しよう
ここまで、スクールカウンセラーの仕事内容や実際の活用事例についてご紹介しました。
スクールカウンセラーは学校生活に関わる問題や不安を解決するために、幅広い手段を用い、必要であれば関係各所と連携をする職業です。学校生活において当人では解決できない問題がある場合、積極的に活用しましょう。