てるてる坊主の由来とは?作り方・上手く吊るすコツや風習についても詳しく解説
てるてる坊主の由来を知りたいと思ったことはないでしょうか。本記事ではてるてる坊主の起源やモデルとなった人物を解説し、てるてる坊主の簡単な作り方や吊るし方のルール、風習とエピソードを紹介しています。子どもと一緒にてるてる坊主を作ってみたい方は参考にしてください。
「てるてる坊主の発祥はどこ?」
「上手なてるてる坊主の作り方を知りたい」
「てるてる坊主の吊るし方や場所、処分方法に決まりはあるの?」
晴れの日を願うものとして、てるてる坊主は広く親しまれています。特に梅雨の時期である6月などに、子どもと一緒にてるてる坊主を作りたいと考えてはいるものの、作り方や吊るし方のルールがわからず、悩んだ経験を持つ方もいるでしょう。
本記事では、てるてる坊主の由来や昔からの言い伝えを解説するとともに、てるてる坊主の作り方や吊るし方のコツを紹介します。
さらに、てるてる坊主にまつわる風習と、ニュースで取上げられたてるてる坊主についても紹介しているため、この記事を読むことで、その歴史や取扱い方法がわかり、親しみが湧くことでしょう。
てるてる坊主の発祥や由来を知りたい方、子どもと一緒にてるてる坊主を作ってみたい方は、ぜひ、本記事をチェックしてください。
てるてる坊主の由来
てるてる坊主は、日本人にとってなじみ深い存在です。
よい天気の象徴として童謡に登場することでも有名で、6月の梅雨の時期や、運動会や遠足の前日には、晴れの日を願う子どもが、てるてる坊主を作って軒下に吊るす姿も見られます。
ここでは、てるてる坊主はいつどこで生まれたのか、その由来や誕生にまつわる言い伝えを見ていきましょう。
起源は中国
日本の風習として定着したてるてる坊主ですが、その起源は中国にあり、それが日本に伝わって現在の形になったという説が有力です。
てるてる坊主の起源には諸説ありますが、日本では浮世絵や川柳に登場していることから、江戸時代には風習として広まっていたことがわかります。
また、江戸の儒学者が書いた書物には、天を照らす「照法師(てるほうし)」という記載があり、ほかにも「照れ照れ法師」「てりてり坊主」という呼称も見つかっています。
儒学が中国由来の学問であることに鑑みれば、中国発祥のものといえるでしょう。
元々はてるてる「坊主」ではなかった?
日本では丸い坊主頭がトレードマークのてるてる坊主ですが、中国では異なる姿で登場しています。
中国では、雨が止んでほしいときに「掃晴娘(さおちんにゃん)」と呼ばれる女の子をかたどった紙人形を吊るす風習があります。
この掃晴娘は、大雨が続いたときにほうきで雨雲をはらい、自分の命を捧げて雨を止ませたという言い伝えのモデルとして有名な存在です。
この掃晴娘の話が、日本に伝わったあとに男の子に変わり、現在のてるてる坊主に変化したとされています。
作って楽しいてるてる坊主
6月の梅雨の時期や、学校行事の前日など、晴れた天気を願うときには、てるてる坊主作りに取組んでみるとよいでしょう。
家庭にあるものを使い、子どもと一緒に作ることでコミュニケーションが生まれ、あわせて日本の風習にふれるよい機会にもなります。
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【ティッシュ編】てるてる坊主の作り方
ティッシュを使ったてるてる坊主は、家にある材料で手軽に作れます。刃物を使わずに作れるため、幼い子どもと一緒に作業するときにおすすめの方法です。
材料は、以下のとおりです。
・ティッシュ(3~4枚程度)
・輪ゴム
・ひも
・テープ(セロハンテープ・マスキングテープなど)
・カラーペン
ティッシュを2~3枚重ねて軽く丸め、きれいな形になったら別のティッシュ1枚で、丸めたティッシュを包みます。
首にあたる部分を輪ゴムで縛り、胴体の裾を広げて形を整えてください。
適当な長さの紐を輪ゴムの部分に通し、吊るし紐にします。
そのままでは逆さになってしまうため、後頭部にあたる部分をテープで止めるとよいでしょう。
顔を描いたら完成です。
てるてる坊主をティッシュ以外で作る方法
折り紙を用いてのてるてる坊主の作り方
折り紙でもてるてる坊主を作ることができます。詳細は下記の記事をご覧ください。
ビニール袋を用いたてるてる坊主の作り方
ビニール袋でもてるてる坊主を作ることができます。材料は以下のとおりです。
・ビニール袋(透明)
・ティッシュ
・すずらんテープ
・カラーペン
ティッシュをくしゃくしゃに丸めて、くしゃくしゃにしたティッシュを、ビニール袋に入れます。
顔部分の下で、すずらんテープを結びます。
ビニールに顔を描き、ビニール袋の下の方を好きな長さに切り長さを整えたら完成です。
布地でのるてる坊主の作り方
ガーゼやハンカチなどの布地を使ったてるてる坊主も、比較的簡単に作れます。
詳細はこちらの記事で布地で作るてるてる坊主の作り方をご覧ください。
ひっくり返らないように吊るす吊し方
てるてる坊主を吊るすと、上下逆さまになってしまうことがあります。これは頭の部分が大きく、重心が上部にあるのが原因です。
ひっくり返らないように吊るすためには、てるてる坊主の頭頂部に紐をつけるようにしましょう。首につけた紐を、後頭部のなるべく上の方で、テープなどを使って固定するのが簡単な方法です。
布のてるてる坊主の場合は、針と糸を使って頭頂部に紐を縫いつけると、バランスよく吊るせます。
てるてる坊主にまつわる風習
中国を起源に持ち、日本でも親しまれているてるてる坊主には、昔から伝わる風習が数多く存在し、守らないとよくないことが起きるという言い伝えもあります。
しかし、風習を理解し、正しい知識を得れば、ネガティブな言い伝えも気にならなくなるでしょう。
ここからは、てるてる坊主にまつわる主な風習を4つ紹介します。
顔の描き方に決まりがある?
てるてる坊主の顔については、はじめは顔を描かずに吊るし、天気が晴れたあとに描き入れるという説が有力です。
顔を描く場合は、日本古来の祈願だるまと同じ要領で左目のみを描いて吊るします。
そして、願いが叶ったら右目を描き足します。
しかし、顔のないてるてる坊主を子どもが怖がる場合には、自由に顔を描かせてあげるとよいでしょう。
おすすめの吊るす場所ってある?
てるてる坊主は、軒下や窓辺、玄関など、外部と家の境界にあたる場所に吊るすのが一般的です。晴れを願うものであるため、太陽に向けた南の方角に吊るすとよいでしょう。
また、南天の木に吊るすと効果的だという説もあります。南天はその名から「難を転じる木」とされており、悪霊を追い払う効果があるともいわれています。
自宅に南天の木がある場合は、吊るしてみるのがおすすめです。
いつ頃吊るしたらよい?
てるてる坊主は、晴れてほしい日の前日に吊るしましょう。
吊るしておく期間は、前日と当日の2日間が一般的です。吊るす時間帯には特に決まりはありませんが、明るいうちに吊るすとお日さまに願いが届きやすいという言い伝えもあります。
処分はどうしたらよい?
てるてる坊主は、吊り下げた翌日には取り外しましょう。願いが叶って晴れた場合は、顔に目を描きます。晴れなかった場合は何も描かずに外してください。
役目を終えたてるてる坊主は、以前はお酒を振りかけ、寺社でお焚き上げをしてもらう風習がありあましたが、寺社への奉納ができない場合、外から見えないように紙などに包み、自治体のルールに沿ってごみとしてに処分してください。
いずれの場合も、てるてる坊主への感謝の気持ちを忘れないようにしましょう。
平和を祈るてるてる坊主もある
晴れることを願うものとして知られるてるてる坊主ですが、天気以外の願いにも使われることがあります。
近年では、2023年に奈良県の生蓮寺で行われた平和祈願にてるてる坊主が使われました。
これは、軍事侵攻が続くウクライナの平和を願い、生蓮寺の住職がてるてる坊主の奉納を募ったものです。1年間で約1500体のてるてる坊主が寄せられ、お焚き上げとともに平和祈願が行われました。
このような事例から、てるてる坊主にはさまざまな思いが込められていることや、人々の願いを叶える存在として親しまれていることがわかるでしょう。
てるてる坊主に晴れの願いを託そう
丸い頭とかわいらしい姿で、古くから子どもに親しまれているてるてる坊主ですが、そのモデルは中国の女の子とされています。
日本に伝わったあとに、男の子や僧侶へ変化を遂げたという説もありますが、私たちがてるてる坊主に願いを託す心に、変わりはないでしょう。
てるてる坊主の言い伝えのなかには怖いエピソードもありますが、てるてる坊主を作って吊るすことで、古来の文化を知り、日本の風習に親しむきっかけにもつながります。
本記事を参考に、子どもと一緒にてるてる坊主を作りながら、由来や願いごとについて考え、親子で話し合うきっかけにしてみてください。