カブトムシのさなぎの特徴と羽化の方法は?コツやトラブルについて解説!
カブトムシのさなぎはどのように成虫になるか、ご存じでしょうか。この記事ではカブトムシの羽化のコツや羽化させる際に知っておきたいこと、羽化不全などについて紹介しています。カブトムシを幼虫から育て、適切に羽化させたい方はぜひ、こちらを読んでみてください。
「カブトムシって成虫になる前はどうなっているの?」
「カブトムシはどうやって羽化するの?」
「カブトムシのさなぎに特徴ってある?」
「カブトムシ」は人気がある昆虫です。しかし成虫になる前のさなぎの頃や、羽化についてよく知らない方も多いでしょう。
本記事では、カブトムシのさなぎの特徴や羽化について紹介しています。この記事を読むことで、カブトムシのさなぎがどうなっているかや羽化するときの様子、羽化させるためのコツなどを把握できます。
またカブトムシが羽化するときに気をつけておきたいこと、知っておきたいこともご紹介しているので、適切に羽化させていけるようになるでしょう。
カブトムシのさなぎや羽化について興味のある方、自分で育てて羽化させたいと考えている方はぜひ、こちらの記事をチェックしてみてください。
カブトムシのさなぎの特徴
「カブトムシ」は幼虫からさなぎ、さなぎから成虫に成長していく昆虫です。さなぎになるのは、5月上旬~6月上旬でしょう。
さなぎの頃のカブトムシの特徴は、オスであれば頭部と前胸部に角(ツノ)ができることです。オスのカブトムシはさなぎになるときに角が生えますが、このとき蛹室(ようしつ)に不全があると、角が曲がってしまう可能性があります。
蛹室とは、さなぎになったときに過ごすための部屋のことです。
幼虫からさなぎになったばかりの頃は、体は白色です。時間が経つとオレンジ色に変わっていき、体がどんどん硬くなります。
カブトムシの羽化とは
「羽化」とは、さなぎから脱皮して成虫になることです。多くの昆虫が幼虫からさなぎになり、さなぎから羽化をへて成虫に変化します。こういった成長過程をたどることを「完全変態」と呼びます。
カブトムシも、さなぎから羽化をへて成虫に変わっていく昆虫です。
ここからは、カブトムシの羽化について紹介します。カブトムシの羽化はどのように起こるか、羽化前後のカブトムシの様子などをご紹介しますので、参考にしてみてください。
カブトムシが羽化するタイミング
カブトムシが羽化するのは、6月~7月です。しかし野生の状態か飼育下にあるか、あるいは個体差によって、どのタイミングで羽化するかは変わってきます。
さなぎから羽化するまでの期間は、16℃~20℃の低温管理下では平均2か月~2か月半かかります。20℃~25℃の高温管理下では、平均1か月~1か月半かかるでしょう。
個体差でいうと、カブトムシのなかでも小さい体のものは、羽化するタイミングが早い傾向にあります。
カブトムシが羽化する直前の様子
カブトムシが羽化直前になると、体の大きさが少し小さくなり、サナギの体の色がかなり黒くなってくるでしょう。
カブトムシのサナギがこのような変化を見せたら、羽化が近づいています。蛹室が確認できる場合、羽化に備えて、蛹室のなかにある余計なものを取り除いておきましょう。
羽化直前にはカブトムシの体を動かさないようにし、静かに過ごせるようにしてあげてください。
カブトムシが羽化した直後の様子
カブトムシが羽化した直後は、羽の色が白くなっています。体はやわらかいため、触るようなことはしないようにしましょう。うっかり羽に触れてしまうと、羽が変形してしまう可能性があります。
羽化してから2時間程度で、後羽も伸展(伸ばして広げる)します。その頃もまだ羽はやわらかく、時間が経つごとに 硬くなっていき、折りたためるようになるでしょう。
羽化の翌日には体の色が黒くなり、よく見かけるカブトムシの姿になります。
カブトムシを羽化させるコツ
カブトムシはさなぎになったあと、成虫になります。しかしこの段階で思うように羽化してくれなかったり、角曲がりや羽化不全などの問題が起こったりすることがあるでしょう。
以下では、カブトムシをきちんと羽化させるにはどのようなことに気をつけなければならないか、紹介します。
カブトムシを幼虫から育てている方はこちらを参考に、羽化に備えましょう。
適切な温度環境を整える
カブトムシを羽化させたい場合は、飼育ケースの温度を20℃~25℃程度に保つようにしましょう。
これは、カブトムシは低温管理下ではさなぎになる時期が遅れるためです。20℃~25℃の高温管理にしておくことが理想でしょう。
常温での飼育も可能ですが、直射日光に当たらない、エアコンの風が直接こないところに置いてあげてください。
蛹室の様子に注意する
幼虫が蛹室を作り出すかどうか確認し、必要であれば人工蛹室を用意して、蛹室の様子をチェックしましょう。
幼虫を飼育していると、さなぎになるために蛹室を作り出します。衝撃によって蛹室を壊してしまわないように、ケースに衝撃を与えないように注意しましょう。
もし蛹室を上手く作れなかったり、うっかり壊してしまったりした場合は、人工蛹室を用意してください。
蛹室が十分な大きさでアーモンド形をしているかチェックし、余計なものがあれば取り出しておきましょう。
羽化直後は乾燥のためひっくり返る
羽化直後のカブトムシは、お腹を乾燥させるためにひっくり返っていることがあるため、ひっくり返っていてもあまり心配する必要はありません。
通常、カブトムシがひっくり返っていると体力を消耗するため、よくないとされています。ひっくり返っているカブトムシを見たら、心配する方も多いでしょう。
しかし羽化直後のカブトムシは、自力でひっくり返ることがあります。これは、お腹の方も乾燥させるためではないかと考えられています。ひっくり返っていても、蛹室内であれば自力で元に戻れるため、問題ないでしょう。
羽化したあとは個別に管理する
カブトムシが羽化した直後には、ほかのカブトムシと一緒にすることはせず、個別に管理しましょう。
野生下でのカブトムシは、羽化した直後に地中から外に出てくるということはありません。羽化して間もない頃はまだ内蔵や骨格が成熟しておらず、外敵に狙われたりケガをしたりするリスクがあるためです。
飼育下でのカブトムシも、羽化した直後はまだ成熟していないため、ほかのオスがいるとケンカしてケガをしてしまう可能性があります。そのため1匹ずつの飼育がよいでしょう。
羽化してから約2週間が経ち、ケースのなかで飛ぶようになったら、エサを食べられるようになっています。そのさらに1週間後には交尾も可能になるため、この頃からは、ほかのカブトムシと一緒にしても構いません。
カブトムシの羽化不全とは
カブトムシの羽化が上手くいかなかった場合、「羽化不全」になってしまうことがあります。
カブトムシの羽化不全とは、成虫になったカブトムシの外見が、ほかの成虫とは違う不具合があることです。
実際に羽化不全になってしまったカブトムシはどのような外見をしているか、原因や対策方法を紹介します。
羽化不全のカブトムシの見た目
羽化不全になってしまったカブトムシは、羽がしっかり閉じずに開いていたり、角が曲がったり、背中や羽がデコボコした見た目になっていることがあります。
羽化不全になってしまったカブトムシは、正常な状態に治ることはありません。もし羽に不具合が生じていれば、飛べないままです。
正常なカブトムシとケンカしても負ける可能性が高いため、正常なカブトムシとは分けて、羽化不全のカブトムシだけで育てるようにするとよいでしょう。
羽化不全の原因
羽化不全が起こる原因は、蛹室の環境にあるとされています。
十分な大きさの蛹室が作れなかった、蛹室の中に余計なものがあった、蛹室の形状が悪かったなどの原因が考えられるでしょう。人工蛹室を使っていて羽化不全が起こった場合は、人工蛹室のサイズが合っていなかった可能性があります。
羽化不全の対策
カブトムシのさなぎが蛹室を作った段階で、大きさは十分か、蛹室の中に余計なものがないか、形状はアーモンドの形になっているか確認することが大切です。
幼虫に蛹室を作らせるのであれば、十分なマットの深さを確保しましょう。人工蛹室を用意する場合は、カブトムシの大きさに合わせ、大きすぎず小さすぎないものを選んでください。
もしヘラクレスオオカブトのように横に長い蛹室を作るタイプの場合は、横の長さが十分あるか確認することも大切です。
適切な環境を整えて羽化を促そう
カブトムシは自分で育てて、幼虫からサナギ、成虫になることを見守ることのできる昆虫です。しかしサナギになるときに注意していないと、成虫になった際に羽化不全を起こしてしまうことがあります。
カブトムシを羽化させるためには、温度管理や蛹室の確認をしっかり行い、羽化に適切な環境を整えてあげることが大切です。
この記事で紹介した羽化直前や直後の様子を参考に、静かに羽化を見守ってあげましょう。