STEAM教育における小学校の事例とは?自宅でできる学習方法まで紹介

STEAM教育における小学校の事例とは?自宅でできる学習方法まで紹介

子どもには論理的思考力や柔軟性を学んでほしいと思う方もいるでしょう。本記事では、STEAM教育とは何かを解説し、小学校での取組事例や家庭で実践できる方法、おすすめの教材を紹介しています。子どもと一緒にSTEAM教育に取組みたい方は参考にしてください。

「STEAM教育ってどのような学習方法なの?」

 「小学校で行われているSTEAM教育の事例を知りたい」

 「自宅でもSTEAM教育を実践できる?」

 IT化をはじめとした時代の変化に対応する人材を育てる方法として、STEAM教育が注目されています。子どもには論理的な思考力と豊かな表現力を身に付けて、社会で活躍してほしいとお思いの方もいるでしょう。

本記事ではSTEAM教育とは何かを解説し、小学校での指導に取入れられた背景や導入事例についても紹介します。この記事を読むことで、STEAM教育とは何かがわかり、柔軟な発想と科学的な思考力を持つ子どもに育つことでしょう。

STEAM教育について詳しく知りたい方、子どもにSTEAM教育を効果的に学ばせたいとお考えの方は本記事をぜひ、ご覧ください。

STEAM教育とは

STEAM教育の「STEAM」は、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Arts(美術)、Mathematics(数学)の頭文字をつなげたものです。

情報通信技術(ICT)を活用し、それぞれの頭文字の領域を網羅して学ぶことで、技術面のスキルだけでなく、積極性や創造力、論理的思考や表現力を身に付けることをねらいとしています。

以前は、Artsを含まない「STEM教育」として進められていました。しかし、個人の感性を生かして、自由に発信する力も求められることから「Arts」が追加されました。

STEAM教育とは?歴史や問題点・日本の取組みについて紹介

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STEAM教育を小学校に取入れる理由

アメリカの教育政策として、当時の大統領がSTEAM教育の前身である「STEM教育の支援」を公約に掲げたことが、のちにSTEAM教育が普及するきっかけとなりました。

急速な情報化社会や産業の発展に伴い、IT人材の不足が懸念され、STEM教育の必要性が世界的に広まることになったのです。これを受けて、内閣府は2017年に「新しい経済政策パッケージについて」のなかで、これからめざす未来社会として「Society5.0」を発表しました。

Society5.0とは、「仮想空間と現実空間を融合させ、経済の発展と社会的な課題の解決をめざす人間中心の社会」のことです。

Society5.0を実現するためには、社会問題を解決し、新たな多価値を生みさせる人材育成が必要であることから、小学校でSTEAM教育が取入れられることになりました。

出典:新しい経済政策パッケージについて|内閣府

出典:Society 5.0の実現に向けて|文部科学省

出典:3.3本の政策と実現に向けたロードマップ|内閣府

日本の小学校におけるSTEAM教育の事例

文部科学省の推進により、日本の小学校でもSTEAM教育の実施がはじまりました。これまでの授業形式とは異なるアプローチで、子どもの能力を伸ばす工夫を凝らした取組みが盛んに行われています。

ここからは、日本の小学校で実施されているSTEAM教育の事例を3つ紹介します。

出典:STEAM教育等の教科等横断的な学習の推進について|文部科学省

STEAM Lab

埼玉県戸田市の戸田東小学校・中学校ではSTEAM教育の導入にあたり、複数の企業と連携して、「STEAM Lab」と呼ばれる教室を作りました。

STEAM Labには最新のパソコンやモニター、3Dプリンターなどのほか、それらを使うためのクラウド環境が整備され、さまざまなテクノロジーに触れて学ぶことが可能です。

また、机の配置をコの字型にすることで、生徒間での意見交換を活発にし、教師も巡回しやすくなるといった工夫がされています。

今後は、小中9年間の一貫教育という特徴を生かしたカリキュラムを作成し、STEAM Labを活用して、技術だけでなく、たくましく生き抜く力を持つ子どもを育てることが期待されています。

出典:令和4年度戸田市立戸田東小学校教育課程特例校の取組について|戸田市教育委員会

DXプロジェクト

兵庫教育大学附属小学校では、総合学習の授業で「お任せ!何でも解決団! 〜わたしたちの附小DXプロジェクト」(附小DXプロジェクト)と名づけたSTEAM教育を実施しています。

ここでは校長先生から「附小をDXしてください」というビデオメッセージが届き、生徒はグループにわかれて校内でフィールドワークを行い、課題を洗い出します。生徒たちは出された課題を掘り下げて、知恵を出しあい、解決策を考えて発表するまでが一連の学習です。

附小DXプロジェクトでは、解決手段としてプログラミングやロボット製作も行います。メンバーで出しあった解決策の実現にデジタル教材を使用して、取組むことで、チャレンジ精神の育成や深い学びを得ることが期待されています。

出典:兵庫教育大学附属小学校 令和3年度研究大会シンポジウム|国立大学法人 兵庫教育大学

STEAM化ごんぎつね

関西大学初等部では、むかし話の『ごんぎつね』を題材にした「STEAM化ごんぎつね」というSTEAM教育を実施しました。

国語の教材として使われる『ごんぎつね』を理科や社会科の観点からも読み、課題を見つけようという試みです。物語の時代背景や、キツネの生態、火縄銃とはどのようなものかを調査し、さらには作者のほかの著作は何かなど、疑問に感じたことを調べてまとめ、発表を行いました。

調査の過程では、専門家にオンラインで取材するといった時間も設けられました。子どもに主体性と協調性が身に付くと同時に、興味の範囲が広がるなどさまざまな成果が上がっています。

出典:事業名︓「STEAM化ごんぎつね普及計画」|経済産業省

幼児向けのSTEAM教育と小学生のSTEAM教育の違い

STEAM教育は柔軟な発想を持つ幼児期からはじめるのが効果的ですが、年代により学ぶ内容は異なります。

自分が何に興味があるのかが判断できない未就学児には、見る・聞く・触れるといった五感を使って、さまざまな経験を積むことがSTEAM教育の第一歩です。

小学校低学年は、自分の好きなことに気づきはじめる時期です。この時期のSTEAM教育では、授業だけではなく、遊びも通じて興味や関心のあることを見つける機会を作ることが重要視されます。

小学校高学年になると、「自分が好きなこと」がはっきりしてきます。これまでに得た知識や経験を生かす方法、具体的な手段をSTEAM教育で学び、自分と社会がどのようにつながっていくのかを意識する時期になるでしょう。

「comotto」では、遊び感覚で考えて主体的に取組む力を育む「ワンダーボックス for docomo」など、まなびをテーマにした多様なサービスを提供しています。

五感を使って、手を動かして試行錯誤ができるアナログの良さと、デジタルの良さを掛け合わせた新感覚の学びをSTEAM領域のバラエティ豊かなテーマでお届けします。(※対象年齢4歳〜10歳)。

詳細や利用条件等は下記リンク先よりご確認ください。

出典:ワンダーボックス for docomo|comotto

【実践例あり】幼児のSTEAM教育とはどんな教育?注目される理由やメリット、デメリットをご紹介

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自宅でできるSTEAM教育

小学校の授業で取組みがはじまったことで、STEAM教育は新しい学習法として注目されています。STEAM教育がめざす論理的思考力やITスキルは、身のまわりにあるものや教材を使って家庭でも学ぶことが可能です

ここからは、自宅で楽しみながら実践できるSTEAM教育の方法を3つ紹介します。

動画で学ぶ

インターネットやテレビアニメなどの動画を使って、自宅でSTEAM教育を実践できます。

本を読むのが苦手な子どもでも、動画であれば勉強と意識せずに取組んでくれることが多く、自然に論理的思考力や判断力、社会の仕組みを学ぶことが可能です。また、動画で学んだことを親子で話したり、クイズに答えたりすることでさらに知識の定着が期待できます。

「comotto」では、「自然・環境」「プログラミング教育」「科学・技術」といった学校のSTEAM教育で取組む分野などを提供しています。

小学校高学年向けのクイズ動画。社会で起こるさまざまな出来事に関する、表(メリット)と裏(デメリット)を題材にしたクイズ動画に挑戦することで、社会について楽しく学べます。

下記よりお子さまと一緒にクイズ動画に挑戦いただけます。

出典:学校だけでは学べない社会の表裏|comotto

オンラインスクールで学ぶ

STEAM教育は習い事の一つとして、数多くのスクールが開講されています。通学型のスクールに通うのが難しい場合はオンラインスクールで学ぶことも可能です。

さまざまなオンラインスクールがSTEAM教育のカリキュラムを用意しており、自宅でパソコンやタブレットを使用して手軽に学べます。オンラインと並行して体験学習を実施しているスクールもありますので、子どものスタイルに合ったものを選ぶとよいでしょう。

「comotto」では、家庭で実践できるSTEAM教育として、子どもが遊び感覚で考え、主体的に取り組めるサービス「ワンダーボックス for docomo」をおすすめしています。

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出典:ワンダーボックス for docomo|comotto

家族とゲームで学ぶ

日常の遊びをSTEAM教育として実践するのも、効果的な方法の一つです。

カードゲームやボードゲームで思考力や判断力が鍛えられます。市販されているブロック玩具を使用して、好きなものを作るのは創造性を伸ばすのに有効です。テーマを決めてしりとりをするなどもよいでしょう。

料理を一緒に作ることも、ものごとを順序だてて進める力が身に付きます。身近なことを題材に取組むのがおすすめです。

楽しくSTEAM教育に触れてみよう

STEAM教育とは何か、小学校で導入された理由や取組事例、年齢別の教育方法の違いや家庭でできるSTEAM教育の実践方法について紹介しました。

変化の激しい社会で活躍するためには、ITスキルとともに論理的思考力や主体性、柔軟な発想力が求められます。小学校での取組みに加えて、家庭でも身近なテーマを使って、STEAM教育を実践することも可能です。

子どもの柔軟な発想力や自主性を大切にし、楽しみながらSTEAM教育に取組んでいきましょう。

【STEAM教育の事例】具体的な内容や日本と海外の取組みについて解説

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